ガンとは恐ろしや・・  
ポッキーぽりぽりしながら制汗剤の話題で盛りあがっていたら、シャープな眼鏡女史が、衝撃的なひと言を放ちました。「ガンになるから使わないほうがいいよ!

手と口の動きが止まり、固まるその場。「乳ガンになるって、みんな言ってるよ」。みんなが言うのだから、常識レベルに浸透しているのでしょうか。情弱の我が身には初耳でした。制汗剤は今すぐゴミ箱にたたきこむべきなのか、ちょっと調べてみることにしました。

わきにデオドラントで剤を塗ると乳がんになる?

21世紀のはじめ頃、米国のインターネット上で下記の文章が拡散されました。この怪文章が噂の火つけ役のようです。

~こんな内容がネットで拡散~

制汗剤に含まれる発がん性物質は、ワキ毛を剃るときにできる切り傷から皮膚に吸収されます。制汗剤で汗を止めると発がん性物質が体内に残り、ワキのリンパ節に蓄積されます。それらはやがて、細胞を癌化させる濃度に高まります。

乳がんの大半は、乳房のうえ半分の外がわ部分にできます。乳首でクロスする縦と横の線をひき、4つに分けた乳房のアッパー・アウター部分です。わきの下にもっとも近い部分です。

男性の乳がんリスクが低いのは、わき毛を剃らないからです。わき毛が制汗剤の化学物質を吸着し、皮膚に吸収されるのを防いでいます。
誰が書いたのかは知るよしもありませんが、ショッキングな内容に驚いた人たちが、家族や知人にあわててメールで知らせることとなり、噂はあっという間に全米に広まりました。
「蓄積されるとガン化する」と指摘されている成分は、塩化アルミニウムなどアルミニウムベースの成分と、パラベンです。

うわさの出元は大儲け?

この警告は、制汗作用のないデオドラント剤を販売するいくつかのウェブサイトに掲載され、売り上げを急伸させました(笑  このへんが火元ではないかと推測されていますが、便乗しただけという説もあり、真相は明らかになってはいません。
いっぽう、不安にかられたアメリカ人は、制汗剤のメーカーをはじめ、ガン関連の団体、医療機関、政府機関などに問い合わせを殺到させ、それぞれの機関は対応におわれ、残業を余儀なくされたといいます。
噂のはじまりから、かれこれ20年が経過しました。時に流され忘れ去られたように見えるこの噂は、ふとしたタイミングでまた現れてはあちこちで騒ぎをおこす、幽霊船のような存在になっています。
制汗剤とガンの関係を知りたい人びとへのメッセージとして、ウェブサイトにこの問題を扱う専用ページをもうけているところもあります。アメリカ国立がん研究所も「制汗剤・デオドラント剤と乳がんの専用ページ」をつくり、自由にリンクして、みんなに伝えてねと呼びかけています。
「制汗剤とガン」のうわさの背景はわかりました。でも、それだけではまだ、制汗剤が安全かどうかの判断材料にはなりません。
全米と日本の情強たちに衝撃をあたえたこの文章の内容は、正しいのでしょうか?デタラメなのでしょうか?

その答えは後編に

後編では、最前線でガン患者を支援する世界最強のガン団体の権威をおまねきして、怪文章の内容を考察していきます。制汗剤なしで生きていくのは難しいと表情をくもらせたあなたは、必読です。

「ワキに制汗剤を使うとガンになる」って嘘・本当?ー後編ー