挿入に手間どる・開かないを解決する「月経カップ」の使い方

「もうナプキンには戻れない」月経カップを利用する女性は声をそろえて語ります。臭わない・ムレない・痒くならないトリプル効果のスグレモノですが、スムースに着脱できない人もいるようです。今日こそ扱いになれて、生臭い生理のニオイから解放されましょう。

月経カップってなに?

膣に挿入したシリコン製のカップで経血を受けとめて、流して洗いくり返し使える生理用品です。カップの耐久性は10年くらい。ナプキン使用時の不快感から解放され、日に何度も交換しなくてOK、ゴミもでずコスパも良いので、右肩あがりで利用者が増加中です。スクーンカップ、メルーナ、ディーバカップなど海外製品が主流でしたが、日本女性のサイズと使い勝手に配慮した、国産のローズカップも登場しています

入らない 開かない 出せないときは 

使いはじめの女性がまごつくのが、この3点です。慣れればなんということもないのですが、タンポンやコンタクトレンズを初めて使用したときとおなじように、と惑うのは当然です。

膣に異物をいれるのは、ちょっぴり抵抗感もありますね。でもそれは最初だけ。入ってしまえば、異物感は感じません。やり方のコツをつかめば、数回でスムースに使えるようになります。では、やってみましょう!

月経カップをスムースに挿入するには

折りかたを変えてみる


シリコンが柔らかく初心者におすすめの ローズカップ サイトにあった図解です。挿入時にカップをU字に折る方法と、図のように、より小さく折る方法があります。小さく折ったほうが、挿入はスムースでした。

潤滑ゼリーで滑りをよくする

「生理中でも、部活の練習を休まなくていいように」と使いはじめる中・高校生の女の子や、男性経験がない女性にとっては、挿入じたいが大変かもしれません。また挿入にてこずると、正しい位置にフィットさせづらいです。

そんなときは、月経カップ専用の水溶性潤滑ゼリー>を使うと、四苦八苦せずスルっと入ります。

挿入が不安なビギナーに優しいドイツ生まれのメルーナ

  ビギナーズセット
出産経験者には朝飯まえでも、男性経験のない女性には敷居が高くみえるかもしれません。本セットについている水溶性の潤滑剤をぬって挿入すると、滑りが良くなってスムースに入ります。お手入れグッズや安全糸もついているので、初心者には至れりつくせりで便利です。
※メルーナカップは、開きにくいカップです。わたし自身は慣れたので平気ですが、体内で広げるときに少し手こずるかもしれません。使い比べた印象では、国産の月経カップ【ROSE CUP】のほうが開きやすいです。

入ったけど開かない

月経カップは、ステム(突起の部分)がスレスレ隠れるくらいに浅く挿入します。入ったら、次は第一の関門、カップを広げる作業です。ステムをちょっと中へ押してあげれば、シリコンが本来の形にひらきます。まだ開かないときはステムを少し回してみます。これでたいてい開きます。

膣内に異物感があるときは、ベストな位置におさまっていないかサイズが合っていない可能性があります。位置の問題なら、ステムを押したり引っぱったりして調整しましょう。
ステムを回してもツンツン押しても開かない場合は、立ちあがって少しはねたり、腰を左右に動かしてみてください。これでパカっとした感触を感じたら、大丈夫、無事に開きました。
自宅で装着するさいは、指がよごれたら水洗いすればすむことですが、外出先にはウェットシート(デリケートゾーン用)を携帯するとなにかと便利です。トイレの個室内に手洗いがないときは、水道水を詰めた小ペットボトルを携帯すれば、じゅうぶん足ります。
ウオッシュレットで洗う、という手もあります。この場合は、水の勢いを弱く調整します。強にすると、水は天井までとどきます。洗うときに跳ね返った水で、あなたと周りがベチョベチョになって後始末が大変です。

カップが満たされ溢れるまえに、さあ出そう

体験感覚では、一番多い2日目で4・5時間くらいが限度かなと思います。この日をすぎれば8時間くらいは入れっぱなしにしています。多い日は出しやすいのですが、少ない日とスポーツをしたあと、とり出しに苦慮したことがあります。

経血量が少なく滑りの悪さで出すのに時間を要したときは、出先だったし正直パニクリました。スマホで検索したら「リラックスして、子供を生むつもりでいきみなさい」と書いてあったので、可愛いカップちゃんを産むぞと、下腹に力を入れて頑張ったらでました。
エアロビから自宅へ戻ってトイレに座り、ステムを掴もうとするもあるべき位置にない・・このときは何処に落とした??と絶望しました。指を少し奥まで入れて引っ張りだしたときは、心から安堵しました。

「出せない」という恐怖 

月経カップの使用で一番恐ろしい瞬間は、取り出せないときです。あるべきステムがそこになく、奥へ進んでしまったときはあせります。
入らないときは、まだ入っていないので恐怖は感じませんが、出せないときは「貯まった経血は逆流する?」「産婦人科行き?」「ばい菌が繁殖する?」など、不安が走馬灯のように脳内をグルグルかけめぐり、正直詰んだと泣きそうでした。
出せないときは、まず落ち着きましょうカップがどれだけ奥へ移動しても、子宮の中まで侵入することはありません。静かに深呼吸して、下腹に力をいれていきみます。
これを繰り返すことで、だんだん下がってきます。そこで指をいれて、ステムの位置を確認します。ステムをひっぱる前に、カップを指先でくいっと押すとすんなり出てきます。
カップが出せずに困るタイプのひとは、骨盤底筋の力が弱いひとです。高齢者でもないのに尿もれする女性は、いきんでもカップが帰還しにくい可能性があります。無事に取りだせてひと息ついたら、骨盤底筋ことペリネの筋トレの始めどきです。
セーリでお世話になっているユニチャームさんの説明によると、ペリネが強くなれば姿勢もよくなり、便秘も改善するので、月経カップをあきらめるより、ペリネを強くする方が、賢い選択ではないでしょうか。

       ペリネの簡単筋トレ法-提供:ユニチャーム

   

月経カップはサイズ選びがいちばん大切

サイズが合っていないと、痛いし奥へズレたり漏れたりします。、どのメーカーの製品を選ぶときでも、注意をはらいましょう。そもそも、自分のサイズをどうやって知るんだ?という壁に直面しますが、身長や出産経験などを基準に、選び方の指針が記載してあります。2回は読みかえして選んでくださいね。

最後に、月経カップの使用でTSSことトキシックショック症候群を発症した事例は、ほぼありません。使いかたに慣れるだけで、生理中でも臭わないし、ゴミも出ないし快適です。