生け垣に咲く小さな春 
2月末、コートのなかで背を丸くして歩いていると、甘く爽やかな花の香りに出会うことがあります。

なんとも芳しい匂いは、澄んだ大気のなかで花ひらいた白やピンクの花からのご挨拶。香りの主が沈丁花です。冬は終わり、春のおとずれを告げるメッセージを、香りでとどけてくれたのです。


白は清々しくピンクは甘く 

同じ沈丁花でも、白花の沈丁花はより爽やかで、ピンクは甘く濃い香りが印象的です。どちらも捨てがたく、ともに魅力的な香りです。沈丁花の香水は、知ってるだけでも数種類販売されています。

武蔵野ワークスさんの沈丁花がイチオシなのは、再現性が高い出来ばえと、時の流れとともに、白とピンク両方のコントラストを堪能できるからです。

トップに香りたつのが白い花びら、ミドルに甘くただようのがピンクの沈丁花、ラストには沈香とムスクのフュージョンで、沈丁花のもうひとつのイメージが顔をのぞかせます。

 武蔵野ワークス沈丁花

Top  : ローズウッド ネロリ レモン
Middle: 沈丁花 ローズ ジャスミン
Last : 沈香 ムスク
外国の香水やトワレと違い、武蔵野ワークスさんの香りはEDPでも優しくひかえめです。可憐で清楚、そして甘くせつない沈丁花をまとって、まわりのひとにも春を届けてあげてください。


沈丁花あれこれ
沈丁花は香りが濃くひときわ強いため、生花には用いられず、茶の湯の席にかざられることもありません。きわだって匂いたちますが、沈丁花そのものから精油を摂ることは、まずありません。香気成分の構造が複雑なのと、毒性があるためとりだすのが難しいのです。抽出しても、まったく違う香りになってしま不思議な花です。

沈丁花の香りは、リナロールというスズランの香り成分と、レモンや薔薇の香り成分を調合してつくります。沈丁花の英名は、ダフネです。昨年のヒット映画『ローガン』で可愛さを振りまいた、ダフネ・キーンちゃんの名前は、ズバリ沈丁花なのです。


1月の最強寒波はただのプレリュードで、本番は今月にやってくる?と背筋がひやっとする予報も出ています。それを越えれば、沈丁花が香りはじめます。春は卒業や新入学のシーズンです。お洒落な装いに、凛としつつ控えめに香る「沈丁花の香水」は、晴れやかな場所にもバッチリです。