クリスマスは「さよならミスディオール」

いい香り!だからかぶる・・ 
Miss Diorは誰もが「いいね!」をくれそうな心地よい香りです。魅せられた女性が多いのでしょう、今年もっとも鼻腔に飛びこんできた香りが、Miss Diorのブルーミングブーケだったような気がします。街角で、結婚式場で、いろんな場所で出会うこと出会うこと(苦笑 クロエの香りにもたびたび遭遇しましたが、Miss Diorはそれ以上。


クリスマスのデートもMiss Dior一択 

と、決定済の女性も多いかもしれませんね。そこでクリスマスにまたかぶる(苦笑 
爽やかなシトラス系のトップノートから、ジャスミンとローズが織りなすミドルの優しさを引き継いで、終盤のホワイトムスクへの流れるような、ミスディオールの香りのバトンタッチは見事です。聖夜をミスディオールで決めたい気持ちは、よくわかります。

けれども、年から年中ミスディオールもアレだから変化をとりいれたいと思う女性や、特別な日の香りのチョイスを迷っている女性のために、このサイトも知恵を絞って考えました。天下のミスディオールに、引導を渡せるような香りがあるとすれば何か、わりと真剣に選んでみました。

女にはときに悪魔が宿る 

天使のように清らかで優しさあふれる女性でも、どこか謎めいた影が見えかくれする。全ての女に潜む悪魔の一面が、ふとしたときに顔をのぞかせるからに違いない。女は見ためほど単調ではない、だから心が掻きたてられる。

私たちは、自分自身と周囲の女性たちの心に密かにやどる小さな悪魔のことを、よく知っています。けれども、男性にはそれがよく見えません。鈍感だからか、恋が盲目にしたからなのかはわかりませんが、小さな悪魔は女性をミステリアスなベールにつつみ、魅力を割増してくれているようです。

Miss Diorを卒業するひとに奨めたい香りのコンセプトは、「天使と悪魔」です。

Ange ou Demon Le secret 

つけたての香りは柑橘系ですが、酸味のきいた刺すような爽やかさではありません。やわらかなシトラスの香りを追うようにベリーの甘さがふんわり包んできます、ベリーを使うと甘ったるく子供っぽくなるリスクがありますが、ここで香るのは大人の甘さです。序盤はフレッシュ、ミドルノートは想像以上にフェミニンでいい匂いが芳香します。ラストは、ホワイトムスクの艶っぽい官能的な香りから、ウッディの落ち着いた静かな香りへと移ります。


時間の経過でガラリと変わる香調 

立ちあがりはフレッシュな柑橘系の香りだったのに、30分もするとガラリと甘い匂いに変わります。やがて官能的で艶っぽい匂いに支配される。バツグンの香りに遊び心が盛られた、知る人ぞ知るトワレと言えるのではないでしょうか。

待ち合わせたときの明るいあなたが、だんだん甘い女性に変化して、夜のとばりが降りるころには大人の色香をただよわせる。アンジュデモンシークレットは、特別な日のあなたの姿に重なります。

この香りを世にだしたGIVENCHYは、エレガンスを追求するブランドです。爽やかさ、甘さ、セクシーさをあからさまにバーンと押し出すような、野暮ったさや下品さとは無縁です。女らしい香調のなかにしばし顔を出すスパイシーなツンデレ感は、あなたの心に棲むプチ悪魔からのあいさつです。

美しいだけ、優しいだけ、甘いだけは、言い換えれば退屈です。自分に正直な小悪魔も悪くないなと思ったら、ジバンシーのカウンターへ立ち寄って、試してみてくださいね。ミドルの芳香はうっとりするほど素敵ですから。針千本。