AI動画の失敗例。別人、変な影、逆向きリモコン……実際に作ったらこうなった

絵コンテと動画編集画面が並ぶ、Quiet Frame Studioの制作風景

AIを使えば、ひとりでもアニメーションやショート動画を作れる時代になりました。画像を作って、動かして、音を入れる。文字にすると、とても簡単です。

でも実際に作ってみると、そんなに素直にはいきません。

Quiet Frame Studioでも、制作中にいろいろなことが起きました。主人公のMiaをお願いしたのに知らない女性が現れたり、太陽とは辻褄の合わない影ができたり。エアコンを操作しているはずなのに、リモコンの向きに違和感があったり。

今回は、そんな失敗を振り返りながら、AIで動画を作るときに気をつけたいことをまとめます。

Miaを作ったはずなのに、誰?

AIで同じキャラクターを繰り返し登場させると、最初にぶつかりやすいのがキャラクターの一貫性です。

黒髪の女性。髪型も服装も、指定した条件にはだいたい合っている。それなのに、顔立ちや全体の雰囲気を見るとMiaではありません。

条件だけなら間違っていないのに、見た瞬間に「違う」と分かる。人間は顔全体のバランスや雰囲気から、同じ人かどうかをとても敏感に感じ取ります。

それからは文章による特徴の指定だけに頼らず、基準となるMiaの画像を確認しながら、顔や髪型、服装、場面ごとの見え方をチェックするようになりました。

黒髪のボブ。若い女性。服装も合っている。
でも、君は誰だ。

きれいな影。でも光はどこから?

AI画像生成で光と影の向きが合っていない例

AIが作った画像を見た瞬間、「きれい!」と思うことがあります。ところが、少し時間を置いて見直すと「あれ?」となる。

絵としては印象的でも、光がどこから差しているのかを考えると、影の方向や形に違和感があることがあります。美しく見えることと、光や影のつじつまが合っていることは別でした。

それ以来、屋外のシーンでは人物の顔だけでなく、太陽の位置、建物の影、人物の影の向きまで見るようになりました。

AIが一瞬で作った画像を、人間がいったん止まって疑ってみる。地味ですが、この確認は大切です。

エアコンをつけたいが、リモコンの向き逆

帰宅したMiaがエアコンを操作する場面。エアコンがあって、Miaがいて、手にはリモコン。必要なものはそろっています。

ところが、リモコンがエアコンと違う方向を向いているように見える。ひとつひとつの物は描けていても、物と物との関係がおかしくなることがあります。

「リモコンを持たせる」だけでなく、誰が、何を、どこに向けて、何をしようとしているのか。シーン全体のつながりも確認するようになりました。

帰宅したMia。そのまま土足で部屋へ

AIが日本の玄関で靴を脱がせずに帰宅させた失敗例

日本の部屋へ帰ってきたMia。画像だけを見ると、それほど大きな破綻はありません。

でも、日本の暮らしを知っている人なら早い段階で気づきます。玄関で靴を脱がず、そのまま部屋に入ってしまっている。

「帰宅して部屋に入る」という場面と、「日本の住まいでは玄関で靴を脱ぐ」という習慣が、自動的に結び付くとは限りません。これは技術的なエラーというより、文化や生活の文脈の問題でした。

背景や服装だけでなく、「この人はこの場所で本当にこう行動するだろうか?」。そんなところまで人間が見ています。

失敗も、作品の一部

AIを使った制作では、思った通りにならないことがたくさんあります。でもQuiet Frame Studioでは、それを全部なくすことが目的ではありません。

変な画像ができたら笑う。なぜ変なのか考える。直して、次のEpisodeを作る。その繰り返しです。

Miaの世界がこの先どう変わっていくのか。制作中にまた妙なものが生まれたら、この制作ノートにも追加していきます。たぶん、また出ます(笑)。

制作の流れ全体については、Quiet Frame Studioの動画制作。企画から完成までにもまとめています。