AI動画を作り始めた頃は、プロンプトにいろいろ書きたくなりました。
Miaが振り返る。髪が風になびく。服も揺れる。カメラが近づく。背景の木も動く。
せっかくAIが動画にしてくれるなら、たくさん動かしたくなります。
でも実際に試すと、動きを増やすほど、どこかがおかしくなることがありました。
顔が変わる。手が崩れる。動きが不自然になる。
そこで、プロンプトの考え方を変えました。
一つのカットに、一つか二つの動き
今はまず、「このカットで何を見せたいのか」を決めます。
AIにできるだけ多くの仕事をさせるより、必要な仕事だけ頼む。人物を少し動かすなら、背景やカメラまで同時に大きく動かさない。その方が、私たちの制作では自然なカットを選びやすくなりました。
実例:「音が変わった。」ではどう指示した?

Episode 24では、Miaを大きく動かすことが目的ではありませんでした。
主役は、室内で聞こえるエンマコオロギの音から、ベランダのマツムシの音へ変わることです。
そこで、一つの長い動画にまとめず、場面を四つの短いカットに分けました。
制作時の指示を記事用に整理すると、たとえば次のようになります。
Mia moves slowly towards the open window.
Her hair and the curtain move gently in the evening breeze.
Natural, subtle movement. No dramatic camera motion.
日本語にすると、「Miaは開いた窓へゆっくり近づく。夕方の風で髪と薄いカーテンがわずかに揺れる。自然で小さな動きにして、大きなカメラワークは入れない」という指示です。
ポイントは、Miaを派手に動かすことではありません。この場面で伝えたいのは、Miaが歩くことより、外へ出たときに秋の音が変わること。髪やカーテンは、主役を邪魔しない程度に動かしました。
主役ではない動きは、小さくする
Quiet Frame Studioでは、slightly、gently、subtle、slowlyのような言葉を使うことがあります。
たとえば、hair moves slightly in the breeze や subtle natural movement。髪や服を目立たせたいのではなく、静止画らしさを少しだけ和らげるための指示です。
Episode 24でも、Mia、髪、カーテン、カメラを全部大きく動かすと、「音が変わった」という小さな出来事が埋もれてしまいます。
カメラを動かさない選択もする
AI動画ではズーム、パン、回り込みなどのカメラワークも指定できます。でも、毎回必要なわけではありません。
小さな仕草や空気の変化を見せたい場面では、static camera や no dramatic camera motion のように、カメラを静かにする指示も使います。
人物も動く。背景も動く。カメラも動く。全部を同時に動かすより、何を見せたいのかを一つ決めて、それ以外を静かにする。これも私たちがよく使う考え方です。
15秒の物語を一つのプロンプトに入れない
Episode 24も、一つのプロンプトで最初から最後まで作ったわけではありません。室内、窓辺、ベランダ、そして外の音というように場面を短いカットに分け、それぞれに必要な動きだけを生成しました。
Quiet Frame Studioでは、Klingなどで3〜7秒ほどの短い動画素材を作ることが多くあります。その中から自然に使える部分を選び、アニキ(編集担当)がFFmpegでカットしてつなぎます。
AIに15秒の物語全部を演じてもらうのではなく、短い演技をお願いして、編集で物語にする。
これが、私たちの作り方です。
良いプロンプトは「長いプロンプト」ではなかった
細かい指示が必要な場面もあります。でも、長ければ長いほど良いわけではありません。
私たちが大切にしているのは、誰が、何を、どのくらい動かすのか。そして、このカットで何を見せたいのか。
プロンプトを書くことは、命令をたくさん追加する作業というより、演出を絞る作業に近くなりました。
Episode 24で見せたかったのも、大きな出来事ではありません。
Miaが外へ出る。そして、秋の音が変わる。
だからAIにも、「もっと動いて」ではなく、「必要なところだけ動いて」と頼みました。
それがQuiet Frame StudioでAI動画を作り続けて学んだ、シンプルなプロンプトの考え方です。
